パソコンを選ぶときに必要になるCPUですが、しっかり理解している方は少ないと思います。お店でパソコンを選ぶときは、CPUの何をどのように確認して選べば良いのでしょうか?簡単に解説してみたいと思います。
型番の意味がわかればCPUの機能や性能がわかる
CPUはIntelとAMDの2社で占められています。特にメーカー製のパソコンはIntelのCPUを搭載しており、世界シェアの8割近くを占めています。一方、AMDのCPUはIntelと比較して安く、一部のメーカーの格安パソコンに使われることもあります。
AMDとIntelではCPUの処理が異なるため、単純にコア数やクロック数を比べてどちらのCPU性能が高いかはわかりません。このため、パソコンを購入するときは注意する必要があるのです。
Intel CPUは型番でCPUの世代や性能がわかる
例えば「Core i7-7500U 2.4GHz」というCPUがあったとします。この場合は「i7」がシリーズ名、「7500」が世代とグレード、「U」がCPUの用途、「2.4GHz」が動作クロックというものになります。以下ではこれらを詳しく解説していきます。
まず、シリーズ名(例ではi7)によってCPUのグレードがわかります。i7は上位モデルで、ゲームや動画・写真編集など、複雑な処理に力を発揮します。Officeを使うといった一般的な用途ならi5で十分です。安いパソコンを選ぶときはi3を選ぶと良いでしょう。PentiumやCeleronはもっと下位のCPUですが、省電力のためタブレットパソコンに使用されることが多いでしょう。
次に、世代とグレード(例では7500)の解説をします。実は、最初の1桁でCPUの世代がわかるのです。例えば「7500」であれば第7世代のCPUということです。
そして、CPUの用途(例ではU)について解説します。デスクトップ用かモバイル用といった用途の他、クアッドコア対応やUltrabook用といった特徴がわかるのです。具体的には、以下のような種類があります。
・なし:通常のデスクトップ用
・E:組み込み機器向け
・H:強力なGPUを内蔵
・K:オーバークロック対応
・L:低電圧(モバイル用)
・M:モバイル用
・Q:クアッドコア
・S:低電圧(デスクトップ用)
・T:Sより省電力のモデル
・U:低電圧(Ultrabook用)
・X:i7 Extreme edition
・Y:超省電力版
最後に、動作クロック(2.4GHz)について解説します。これは1秒間に実行する作業量を表す数値です。原則的には数字が大きい方が高速と覚えておくと良いでしょう。
AMD CPUの型番はインテルとは少し違う
例えば「AMD A10-7850K 3.7GHz」というCPUがあったとします。この場合は「A10」がシリーズ名、「7850」がモデルナンバー、「K」がCPUの付加機能、3.7GHzが動作クロックです。以下ではこれらを詳しく解説していきます。
まず、シリーズ名(例ではA10)によってCPUのグレードがわかります。Aの後ろの数字がグレードを表しており、A12が最上位で、A10、A8、A6と続きます。
次に、モデルナンバー(例では7850)を解説します。数字の大小でグレードを表しており、原則的に大きい数字の方が高性能とされています。
そして、CPUの付加機能(例ではK)を解説します。Intel CPUより種類が少ないため、型番だけでは特徴が分かりづらいかもしれません。
・なし:通常版のモデル
・E:Black Edition(カスタマイズ対応)
・H:低電圧版(省電力モデル)
・K:オーバークロック対応
・L:モバイル用のCPU
・M:ヘキサコア(6コア)を示す
最後に、動作クロック(3.7GHz)について解説します。これは1秒間にこなせる作業量を示す数字です。原則的には数字の大きい方が高速と覚えておくといいでしょう。
CPUが決まればマザーボードも決まる
タワー型のデスクトップパソコンや、一部のノートパソコンはCPUを交換することも可能です。ただし、CPUのメーカーや世代によって規格が異なり、マザーボードの型に一致するCPUを選ぶ必要があるのです。
このため、マザーボードはCPUの規格に合うモデルを選ぶ必要があります。特にAMD CPUの場合はシリーズごとにマザーボードが異なるため、マザーボードのパッケージに記載されたソケット名を確認しましょう。
マザーボードはオーバークロックやインタフェースの種類・数に注目
マザーボードは多くのパーツと接続するため、確認する項目が多いのが特徴です。このため、どこに注目すべきか分かりづらいかもしれません。確認すべきことを解説しておきます。
使用するCPUをもとに、そのCPUを接続できるマザーボードを絞りましょう。ここから、オーバークロックの有無やインタフェースの種類・数を比較して決めて行くことになるでしょう。搭載可能なRAM容量とUSB、PCI Expressの数が十分なら、多くの用途で快適に利用できるでしょう。
まとめ
お店でパソコンを選ぶときに、CPUをどのように確認すべきか解説しました。AMDとIntelではCPUの処理が異なるため、単純にコア数やクロック数を比べてどちらのCPU性能が高いかはわかりません。このため、パソコンを購入するときは注意する必要があるのです。CPUのシリーズ名の後ろの情報から目的にあったCPUを選びましょう。